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2006年10月 8日

ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ「バングラデシュ・コンサート」

「ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・キング・クリムゾン」みたいなものですな。

今日やっと、ひょんなことから、2005年にDVDで出た「コンサート・フォー・バングラデシュ」を買って、もちろんさっそく観たのですが、それを観て、いまの若いひとたちに言っておきたいことが出てきたのです(と、急に爺くさい言い回し)。

今回のDVD化で初めて世に出ることになった特典映像は、これのリリース時にディスク2のコンテンツ、タイトルだけを見て、だいたいこんなものだろうと推測というか、想像していたわけですが、あれこれ思いをめぐらせずにさっさと買えばすぐにわかったわけですが、いまになって観て初めてわかったのですが、これは凄い!!いや凄いなんてものではない。こんなものはざらにない。ちょっとこの初出特典映像のボブ・ディランのパフォーマンスには、開いた口が塞がりませんでした。こんなものだと知っていればもっと早く、出てすぐ買ったのに…なんでみんな、アマゾンはじめネットで評価を載せるひとたちが、もっとこのことを声を大にして言わなかったか。おかげでわたしは今日までこの楽しみをとっておくことができたというものです。
ところで、そのディスク2の初出映像の衝撃の話はまたの機会に詳しくするとして、実は今回言おうとしたヤング・パーソンズ・ガイド…は、そのことではないのです。

あと、前置きとして説明しておいたほうがいいかもしれないのは、わたしは古い人間ですから、この「バングラデシュ・コンサート」自体の存在は、最初に雑誌「ミュージック・ライフ」のグラビア記事でニュースとして知り、ほほーと思い、その頃(1971年秋ですな)、ボブ・ディランの存在を気にかけて探求を始めていたものですから、いたく興味を持ち、翌年には映画が公開されたので劇場へ観にいき、3枚組でレコードがリリースされたので買って聴き、ということをした人間です。古いやつだと笑ってくんなまし(この言い方自体、古い)。

若いみなさんに注意を喚起しておきたいのは、(これはDVDでなくCDの帯のコピーですが)ジョージ・ハリスン28歳、ボブ・ディラン30歳(に、なって2ヶ月ちょっとですな)、クラプトン26歳とか書いてありますが、こう書かれると若いときの血気盛んなときの旺盛なパフォーマンスみたいな(つまりいま現在の老いた枯れたパフォーマンスとちがってという意味ですが、ジョージなんか鬼籍に入っているし)とられかたをするおそれがあるのですが、わたしが強調しておきたいのは、このコンサートが行われた時期、ディランもクラプトンも、ともに完全「ひきこもり」状態だったということです。

半隠遁状態だった二人を、久かたぶりに、何年ぶりかに聴衆の前にひっぱり出した(ディランは2年ぶり、クラプトンは一年半ぶり。…ちなみにクラプトンがディスク2で現在のクラプトンが振り返って2年半のリタイアといっているのはまちがいですね。1969年から1970年にかけては少なくともブラインド・フェイス、デラニー&ボニーとのツアーとソロアルバム、デレク&ザ・ドミノスをやっていますから、バングラデシュの時点では一年半の隠遁です)…公衆の面前に引っ張り出したのが、このコンサートでのジョージ・ハリスンの功績なわけです。クラプトンとディランという、その時点ではまったく結びついていない二人を同じステージにのぼらせたということでもありますな(演奏をともにしているわけではありませんが)。

二人ともそれぞれ、その時点で、その何年か前にもうすでに、それ以前には比すべきもののないような大きな音楽的な業績を成し遂げていて、1971年という時期はそのあとに続く数年であって、ブルースのエレクトリック化を極めて神と呼ばれ、その後ほとんど廃人になっていたクラプトン、かたやフォーク、さらに新しい音楽であったロックに対してもう十分な足跡を残したのでそれ以上の新曲も積極的な活動も今後はそうそうはないのではないかと思われていたディラン、いずれもその後の経歴を知っている今日のわれわれからすれば信じられないような話ですが、1971年のコンサートの時点では、二人してそういう状態だったということ、それが人前に出てきて水準以上のパフォーマンス(…クラプトンについていえば本調子には程遠い、しかしそれでも圧倒的な存在感、ディランについては後述)…を見せたコンサートだった、とにかく生で本人の存在を確認できた、ある意味、いま現在2006年よりも、「伝説的」な意味合いは大きかった、したがって現前すること(おおげさですな)の衝撃もハンパではなかった、ということを、いまの若いひとに対して強調しておきたい!…です。

ディランについて言えば、このバングラデシュ・コンサートでのパフォーマンス(今回DVDの特典映像ではなく本編のパフォーマンス)は、その当時としてこれまた腰を抜かすようなものでしたが、長くなるので、そのことは分割して次回に。

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