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2007年5月 6日

藤村美樹「春 mon amour」

藤村美樹「春 mon amour」
(BOURBON RECORDS BMA-2032、シングル盤「夢・恋・人」のB面)


絶対的な名曲というものが世の中にはあって、えてしてそれは、アナログ・レコードの、シングル盤のB面に入っていたりするものです。
そういうものなのです。
かつてはビートルズがそうでした。「アイル・ゲット・ユー」も「サンキュー・ガール」も「こいつ」も「イエス・イット・イズ」も「レイン」も「ユー・ノウ・マイ・ネイム」もシングル盤のB面、そしてアルバム未収録曲でした。
1980年代の日本でいえば、藤村美樹「春mon amour(モナムール)」が、それにあたります。
細野晴臣が、松本隆とチームを組んで、歌謡曲のフィールドに楽曲を提供し、たくさんの曲をヒットさせていた時期の作品です。

このシングルのA面「夢・恋・人」ももちろん良いのですが、いかんせんヒット曲として成立するように作られたA面とは、B面の楽曲の完成度は比較にならないのです。モノがちがうというかんじです。

シングル盤B面に収められた名曲ということでいえば、古今東西のドーナツ盤をとおして、名曲度ナンバーワンの最有力候補でしょう。
最有力候補、と控えめにいったのは、これ以外にも、1980年代の細野晴臣作品だけにかぎっても、ほかにもたくさんあるからです…「わがままな片想い」、「硝子のプリズム」、「蒼い柿」。

「春mon amour(モナムール)」は、ラーガ・ロック・テクノ歌謡とよべるようなアレンジで、TR-808の音色むきだしで、メロディーはアジア的というか日本的な要素が入っていて、「トロピカル三部作」時代から一貫して変わらない、「細野晴臣ワールド」そのものを感じさせる曲です。
藤村美樹の歌がまたこの細野ワールドの機微をよくこころえていて、抑制された表現のなかで、ここぞというところでグッとこさせる、「春という季節のせつなさ」にぴったりの歌を聴かせてくれているのです。

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